院長紹介

院長インタビュー

施術だけの治療院にはしたくない。
“誰かを支えるあなたの力になりたい”から。

院長 杉下 辰雄 Tatsuo Sugishita

患者様を支える人。患者様が支える人。
施術の先にいる人たちの背中も押してあげたいんです。

サムズスペースのコンセプトについてお聞かせください。

父のような治療師になりたいと志し、鍼灸マッサージ師になって17年。訪問施術には15年以上携わっています。長年、在宅療養の介護現場を見てきたからこそ、“誰かを支えるあなたの力になりたい”をコンセプトに開院しました。たとえば、寝たきりの患者様の関節拘縮が施術で和らぐと、起き上がる、立ち上がるなど、できることが増える。すると介護者様の肉体的な負担や精神的なストレスが減ります。子育て中の腰痛に悩むママなら、症状の緩和により気持ちが前向きになる。それはお子さんに良い影響をもたらします。患者様の背景には、必ず人がいる。そう実感する機会が多いですね。だから僕は、患者様そしてそばで関わる人たちの心のケアもめざす治療院、という想いをコンセプトに込めました。

できないことを、できるようにしたい。
その想いが僕の原動力です。

なぜ「上田法」というリハビリ療法も習得したのですか?

ずいぶん前ですが、オムツ交換もできないほど脚が閉じた関節拘縮の男の子を担当しました。何度、訪問しても当時の僕の技術と知識では思うような結果は出ず。正直、悔しかったですね。鍼灸マッサージでやれること、その限界を思い知りました。できないことを、できるようにしたい。上田法の習得を決意したのはそのためです。
上田法を簡単に説明すると、痙縮で硬くなった筋肉や関節を緩め可動域を広げるリハビリの手法です。あの頃の僕が、男の子に施術できていたなら、脚を開き、もっと身体を楽にしてあげられたかもしれません。その後、悔いを原動力に研修会への参加を続け、現在、上級訓練士の認定資格を取得しています。関節拘縮は、苦手を克服した、というより、今では最も得意とする施術にまでなりました(笑)。

上田法と鍼を同時に施術したりね。
相乗効果が期待できますから。

施術におけるサムズスペースの強みとは何ですか?

強みですか(笑)。上田法と鍼灸マッサージを組み合わせた複合施術ができることかな。どういうことかと言うと、以前、姿勢のゆがみや手の震えにより、歩行器で歩くのがやっとという患者様に、鍼施術で自律神経を整えながら、上田法で背骨や股関節につながる関節と筋肉を緩めて動かしやすくし、歩行の安定性の向上に努めたことがあります。頭皮に鍼を刺したまま歩行訓練をしたことも。しばらく続けた頃、施術後ついに一本杖で歩くことができて。それぞれの療法の特性をうまく活かせたんじゃないかな。施術効果は1日前後と個人差はありますが、訪問リハビリや通所サービスなどを併用することで、良い状態を持続できると思います。こうした複合施術が、少しでも改善への近道になれば、うれしいですね。当院では、症状に合わせて積極的に取り入れています。

すべての患者様に、公平に、
医療の手が行き届くといいな。

“多職種連携”に取り組むきっかけや活動について教えてください。

「困っている人を助けたい」。子どもの頃からその想いは変わっていませんが、どういう形で実現すればいいのか、ずっと考えていました。そんな中、上田法を学ぶ場では技術の他に、“多職種連携”という今、僕が推進している活動への糸口も得ることができました。上田法って医療分野における理学療法の領域なんです。学びの場は、理学療法の身体評価方法や施術方針など、鍼灸マッサージ師の僕にはあまり耳慣れない内容ばかりで。当初はついていくのが大変でした(笑)。おかげで、訪問先などでお会いする理学療法士さんや看護師さんたちの話す内容がぐんと理解できるようになり、協力し合うことも増えて。そこからですね。僕のめざす方向が、医療や福祉の専門職の方と患者様の改善に向け協力し合う多職種連携だと、具体的に見えてきたのは。今では、治療して終わり、ではなく、その先も見据えて他の専門職が介入した方がさらなる改善が見込める、生活負担が減る、などサポートによって、より良くなると感じた場合は、ケアマネージャーと相談して患者様にご提案しています。また、病鍼連携連絡協議会のもと、医療機関と開業鍼灸マッサージ師がつながるために必要な多職種連携や医療的専門知識について学べる勉強会の企画運営にも取り組んでいます。すべての患者様に医療の手が行き届く世の中になることを願って。って、ちょっと格好つけすぎですかね(笑)。

いざ病気に悩んだとき、頼れる場、安心できる場になれたら。

サムズスペースの今後についてお聞かせください。

いろいろお伝えしましたが、まずは今の僕にできること、地域の人たちの日々の健康を第一に考えていきたいですね。そのため、一般向けの健康イベント“Well-Being Project” も開催しています。イベントを通じて、地域の人が医療・福祉業界のさまざまな職種の人たちとつながる場、多職種が連携する良さを実感できる場になれば、と思っていて。“誰かを支えるあなたの力になりたい”のコンセプトの通り、もっと一人ひとりの力になりたい。ですが、僕ひとりの力は微々たるものです。今は自分にできることをすこしずつ積み重ねていき、将来的にはサムズスペースそのものが、患者様と医療従事者、同じ病気で悩む患者様同士など、みんながつながり協力し合える地域のコミュニティスペースのような存在になれたら最高ですね。

  • ※2019年9月インタビュー
  • ※本文中の効果事例について…施術効果には個人差があります。
    すべての患者様が同様の効果を得られるとは限りません。

Page Top